大家の悪夢?日本で「不良入居者」を追い出すのが難しい理由と対策

大家の悪夢?日本で「不良入居者」を追い出すのが難しい理由と対策
賃貸ビジネス

大家の悪夢?
日本で「不良入居者」を追い出すのが難しい理由と対策

読了時間: 7分

はじめに:
多くの外国人投資家が驚く事実があります。それは、日本の法律(借地借家法)が極端に「入居者(借主)」を守るように作られていることです。たとえオーナーであっても、気に入らない入居者を簡単には追い出せません。

この法的リスクを知らずに賃貸経営を始めると、家賃を払わない入居者に居座られ、裁判費用で大赤字になる可能性があります。自分を守るための知識を身につけましょう。

1. 「正当事由」がないと契約解除できない

日本では、一般的な賃貸借契約(普通借家契約)の場合、オーナー側から契約更新を拒否したり、解約したりするには「正当事由」が必要です。

そして、裁判所はこの「正当事由」を非常に厳しく判断します。「もっと高く貸したいから」「建替えたいから」という理由だけでは、ほぼ認められません。多くの場合、入居者に高額な「立退料(家賃の6ヶ月〜数年分)」を支払ってお願いすることになります。

2. 家賃滞納への対策

もし入居者が家賃を払わなくなったら?すぐに鍵を変えたり、荷物を外に出したりすることはできるでしょうか?

答えはNOです。 日本では「自力救済の禁止」という原則があり、勝手に鍵を変えたり部屋に入ったりすると、逆にオーナーが住居侵入罪で訴えられる可能性があります。

法的に強制退去させるには、以下の長いプロセスが必要です。

  1. 信頼関係の破壊(通常3ヶ月以上の滞納)を待つ
  2. 内容証明郵便で催告
  3. 裁判所に提訴(判決まで半年〜1年)
  4. 強制執行の申立て

これには多大な時間と弁護士費用がかかります。

3. オーナーを守る最強の盾:「家賃保証会社」

このリスクを回避するために、現代の日本の賃貸経営で必須となっているのが「家賃保証会社(Rent Guarantee Company)」への加入です。

メリット

  • 滞納保証: 入居者が滞納しても、保証会社がオーナーに家賃を立て替えて支払います。
  • 督促代行: 家賃の取り立てはすべて保証会社が行います。
  • 訴訟費用負担: 万が一、裁判になった場合の費用もカバーしてくれるプランが一般的です。

入居条件として「保証会社の利用必須」を掲げることで、リスクをほぼゼロにできます。

4. もう一つの選択肢:「定期借家契約」

不良入居者リスクを減らすもう一つの方法は、契約形態を「定期借家契約(Fixed-term Lease)」にすることです。

  • 特徴: 契約期間(例:2年)が満了すれば、更新されることなく契約が確実に終了します。
  • メリット: オーナーは再契約するかどうかを自由に選べます。マナーの悪い入居者とは「再契約しない」だけで済みます。
  • デメリット: 入居者にとっては不利なため、通常の家賃相場より少し安くしないと借り手がつきにくい場合があります。

結論

「日本の入居者はマナーが良い」というのは一般的事実ですが、例外は必ず存在します。性善説に頼らず、契約書と保証会社という「仕組み」で自分の資産を守ることが、長く安定した賃貸経営を続けるコツです。

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