表面利回りに騙されるな!日本不動産の「隠れた維持費」完全リスト
収支・コスト管理

表面利回りに騙されるな!
日本不動産の「隠れた維持費」完全リスト

読了時間: 5分

はじめに:
日本の不動産ポータルサイトを見ていると、「利回り10%」や「15%」といった魅力的な数字が並ぶ物件を見かけます。しかし、これはあくまで「表面利回り(Gross Yield)」であり、実際の儲けではありません。

日本のマンション、特に区分所有物件(Condominium)には、海外の投資家が想像もしないような「毎月の固定費」が存在します。これらを知らずに買うと、実際の利回り(Net Yield)が2〜3%まで落ち込んでしまうことも珍しくありません。

1. オーナーが毎月必ず支払うコスト

入居者がいてもいなくても、物件を持っているだけで毎月口座から引き落とされる費用です。

管理費 (Kanri-hi) 建物の共用部(エントランス、廊下、エレベーター)の清掃や電気代。月額5,000円〜20,000円程度。
修繕積立金 (Shuzen Tsumitate-kin) 将来の大規模修繕(外壁塗装など)のために強制的に積み立てるお金。築年数が経つほど値上がりする傾向があります。
PM手数料 (Management Fee) 管理会社に支払う報酬。家賃の5% + 消費税。
重要: 特に「修繕積立金」は要注意です。新築時は安く設定されていますが、10年後、20年後に2倍、3倍に跳ね上がる計画になっていることがよくあります。購入前に「長期修繕計画書」を必ず確認しましょう。

2. 年に一度、または不定期にかかるコスト

固定資産税・都市計画税

毎年春に納税通知書が届きます。物件の評価額によりますが、家賃収入の約1ヶ月分程度が税金として消えるイメージを持っておくと安全です。

原状回復費と広告費

入居者が退去するたびに発生します。

  • 原状回復(クリーニング): 3万〜10万円(広さによる)。
  • 広告費(AD): 次の入居者を決めてくれた仲介業者への謝礼。家賃の1ヶ月分が相場です。

3. 設備故障の「突然の出費」

日本の夏は高温多湿、冬は寒いため、設備への負担が大きいです。

  • エアコン故障: 交換に8万〜12万円。
  • 給湯器(ボイラー)故障: 交換に10万〜15万円。

これらはオーナー負担で直さなければなりません。特に築20年を超えた物件を買う場合、これらの設備がいつ交換されたかをチェックする必要があります。

結論:実質利回り(NOI)で判断せよ

表面利回りが高くても、管理費や修繕積立金が高すぎる物件は「良い投資」とは言えません。

計算式:
(年間家賃収入 – 全ての運営コスト) ÷ 物件価格 = 実質利回り (Net Yield)

この「実質利回り」で最低でも4%〜5%以上確保できる物件を探すことが、健全な不動産投資のスタートラインです。

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